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24号の特集・アピール文

 投稿者:管理人  投稿日:2009年 9月24日(木)00時28分35秒
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  「群系」第24号の特集について


 前回の「募集要項」の掲出に続いて、二つの特集企画について、アピールも発表しておきます

Ⅰ. 《私の好きな音楽》
 前回の《私の好きな詩》の特集は好評のようでしたが、今回もその延長で、音楽についての特集を企画しました。音楽の感受を文章で書いてみる特集はめずらしいことと思いますが、同人は言語感覚にすぐれているので、案外おもしろいものが出るのではないか、と思います。
 そもそもアコースティックなサウンドになぜ、われわれが情緒を感じるのか、それ自体が不思議ですが、さらにその情緒・感動がなぜ多くの人に共通し、似たような感受がされるのか、不思議といえば不思議ですね。理性の普遍性と同様に、感受性の普遍性、というのはあるのでしょうか。もちろん、個人によって、あるいは耳を傾ける時と場合によって違いはありましょうが、楽しいとか、悲しそうだ、などという大雑把な情趣は、男女老若、そう変わらないものでしょう。
 芸術の感動はなかなか名状しがたいものですが、ちょうど文学作品がその感覚のあわいを表現するように、音楽でも、あるいは絵画でもそれを、別のパラメーターで表現してみる、それは、案外作品の至高の味わい方にもつながるかもしれません。とにかく挑戦されてみることを。

 今回の特集には、原則として次の二つのジャンルを対象にしたいと思います。

  ・クラッシック音楽の鑑賞(歌詞など、言葉がないもの)
  ・抒情歌・童謡の鑑賞(歌詞と曲想両方の鑑賞)

 まず、「クラッシック音楽の鑑賞」。こちらがとりあえず特集のメインになりますが、同人がお気に入りの曲・楽章について、受容についての自由な鑑賞を試みるものです。バッハ・モーツアルト・ベートーベン・シューベルト・ショパン・ワーグナー・ブラームス・チャイコフスキー、あるいは、マーラー・ラヴェルなど、なんでも、一つを取り上げて、メロディーや構成、楽想など、その受容の感覚を言葉で表してみるものです。音楽の素養がある方はむろん、そうでない方でも、自由に書かれるといいと思います(作曲家のエピソードや、その他関連する他の作曲家や曲の言及があっても可)。いわゆる“描写音楽”の、「森の水車」「シンコペイテッド・クロック」「クシコスの郵便馬車」「ハイケンスのセレナード」なども、この「クラッシック」音楽の類として大いに歓迎です(21号の104p参照)。
 「抒情歌・童謡の鑑賞」は、いわば前回の《私の好きな詩》の延長で書かれてもいいか、と思います。「浜辺のうた」「ふるさと」「夏は来ぬ」「朧月夜」「夏の思い出」(夏が来れば思い出す♪)などや、「冬の星座」「故郷の廃家」「庭の千草」などの外国曲でも可。さらに唱歌・童謡など、思い出の歌など、取り上げてください。こちらは、“歌詞”がありますので、それらを掲出して、その情緒をそのまま鑑賞文にしますが、前回の《詩》の場合と違うのは、曲想・メロディーについての感じも文章に織り込んで表現するということでしょう。
 ページ数はおおむね2~4ページ(おおよそ2千~4千字。当該の詩篇も書き込む)が推奨ですが、ながくなっても可。
 編集部としては、A、Bともに、5~10篇、を見込んでいます。


Ⅱ.《生誕百年の作家たち》  (続)
 前回の要項でも紹介しましたが、『中央公論』本年2月号に、『生誕100年の作家たちを読み直す』の特集がありますが、そこで扱われている作家は次の5人です。

 大岡昇平(1909~1992)79歳
 中島 敦(1909~1941)33歳
 太宰 治(1909~1948)39歳
 埴谷雄高(1909~1997)88歳
 松本清張(1909~1992)82歳

 これらの作家の一人(あるいは二人など)の作品論、作家論、作家・作品についての論文、エッセイなど募集します。
 各作家への本誌の過去の特集、同人の研究動向を簡単に書いておきます。


大岡昇平(1909~1992)
 「群系」誌では過去に何度か大岡の特集を組んでいます(7・9・10・11・12号)。また研究同人も多いです。
→群系HPで調べると、大岡についての論文・エッセイ類は1~18号まででも29本ありました。
これらを、今回コピペしてみますと、以下のようでした。

大岡昇平「花影」論                            小野憲男 4号
〈大岡神話〉                               菊田 均 7号
大家の死後(大岡昇平の死後 編集部注)                  菊田 均 6号
大岡昇平「将門記」                            木下 操 6号
大岡昇平のスタンダール―文学活動のパースペクティヴを形成するものとしての―    河野基樹 11号1
大岡昇平のジイド批評―ジイド受容の日本元年〈昭和八年〉における―         河野基樹 10号
大岡昇平「雅歌」論  ―人・都市・時代の腐朽と六〇年代―         河野基樹 9号
大岡昇平『野火』試論(一) ―幻想文学として読む             関塚 誠 14号
大岡昇平「将門記」の位置―〈大岡史観〉への試論              関塚 誠 13号
大岡昇平『出征』論  ―戦争、共犯の意識―                関塚 誠 11号
大岡昇平『少年』論 ―母・神・マリヤ-                   関塚 誠 10号
大岡昇平「花影」論  ―恋の桜―                      関塚 誠  9号
「俘虜記」の先行作品-『西部戦線異状なし』と『黙示録の四騎士』 -      関塚 誠  20号
大岡昇平 大岡昇平生誕百年とスタンダール                 関塚 誠 23号
大岡昇平「関係」を求めて ―小説『事件』の明快さ-            取井 一  10号
白のイメージ ―「花影」からの距離―                    取井 一  7号
大岡昇平「愛について」論 ―<現代〉を描く視点と方法―               永野 悟  9号
大岡昇平「武蔵野夫人」論 ―“復員兵”という物語―            永野 悟  7号
大岡昇平「俘虜記」 ― 昭和文学に表れた現象学 ―             長野克彦 18号
昭和の私と大岡昇平「レイテ戦記」                     長野克彦  20号
大岡昇平・石原吉郎との対談  ―「名前の重さ」をめぐって―        野寄 勉 12号
大岡昇平「お艶殺し」を読む ―“探す自分”への違和・親和-        野寄 勉 10号
大岡昇平「来宮心中」を読む ―殺意と愛着―                野寄 勉  9号
大岡昇平 母恋の系譜 ―「一寸法師後日譚」を視座として―         野寄 勉  8号
「清姫」 ―伝奇の平叙される場所―                     野寄 勉  7号
《窓》 一九九四年の大岡昇平                       野寄 勉  7号
大岡昇平・父のまなざし ―「ミンドロ島ふたたび」を視座として―      野寄 勉  6号
大岡昇平「振分け髪」校異  ―書き残すというエクリチュール―       野寄 勉  5号
【紹介】花崎育代著『大岡昇平研究』                     野寄 勉 17号
『大岡昇平論』夜話                            ゆりはじめ 7号
『レイテ戦記』ノート ―「遺骨」に導かれた想念―              関塚 誠  19号
【書評】樋口覚著『三人の跫音―大岡・富永・中原』              安宅夏夫  7号

作品論とそのタイトルの参考でしたが、作品論以外に、たとえば「大岡昇平と小林秀雄」「大岡昇平と中原中也」などのテーマなどもいいかと存じます。

中島 敦(1909~1941)
東京市四谷区箪笥町生まれ。1942年『文学界』に「古譚」の名で「山月記」と「文字禍」が掲載され、「光と風と夢」で芥川賞候補になり活躍が期待されたが、持病の喘息が悪化し同年12月4日死去。遺稿「李陵」「弟子」が発表され、類まれな才知の早世が惜しまれた。([青空文庫」より)
中島敦については、著作権が切れて、作品は「青空文庫」で見られます。下にURLを示しましたが、作家名で検索すれば、すぐ出てきます。
http://www.aozora.gr.jp/cards/000119/card4336.html

太宰 治(1909~1948)
 21号で特集(太宰治と三島由紀夫)、その際の論考・エッセイが10本、その他、18号(戦後六〇年の文学)、19号(特集 昭和文学)、20号(総力特集 昭和のあゆみ)、そして22号、23号(最新号)にも、それぞれ太宰治についての論考・エッセイが見られ、同人のあいだでも、人気があります。改めて、斬新な作品論・作家論を求めます。
 また太宰治は、その人間関係、すなわち師弟・友人も多彩ですので、「太宰と○○」のかたちでもいいと思います。
 ちなみに、友人や弟子や慕った人は、Wikipediaによると、「関連人物」に、54人の人たちがあげられていて、まずその数に驚かされます(亀井勝一郎、伊馬春部、今官一、堤重久、菊田義孝、別所直樹、山岸外史、檀一雄、坂口安吾、井伏鱒二などなど)。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%AA%E5%AE%B0%E6%B2%BB を参照。
 あるいは、エッセイ風に、この“国民作家”のどこが魅力か、「私の太宰治」というかたちでつづるもいいですね(他の作家でもいいです)。


 埴谷雄高(1909~1997)
 埴谷についての論考・エッセイは既刊号では、前号で一つありましたが、今回の投稿が待たれます。例えば、雑誌「近代文学」の同人との関係、あるいは、『大岡昇平・埴谷雄高二つの同時代史』(岩波書店)のような対談集、あるいは埴谷のドストエフスキー関係の本などの感想でもいいと思います。


松本清張(1909~1992)
 この作家も既刊号で扱ったものは一つしかありませんでした。本誌は〝純文学〟志向があるせいかもしれません。冒頭の『中央公論』本年2月号特集における座談会出席者たち(加藤典洋・高橋源一郎・関川夏央)も、意外に「清張は読んでないなあ」と言っていますし、筑摩書房版『現代日本文学全集』(全部で143冊)にも清張作品ははいっておらず、中央公論社の『日本の文学』にも入っていないそうです(編集委員の三島由紀夫が猛烈に反対したそうで。理由は清張が「社会派」と呼ばれることへの三島の強い抵抗感があり、「宴のあと」のような社会派小説を掛けるのは自分だけだとの自負があったとか)。でも、清張こそは、プロレタリア文学が成し遂げようとして為し得なかった日本資本主義、その腐敗構造にメスを入れ、推理小説仕立てとして圧倒的人気を得たのでした。(特に戦後、発達してきた週刊誌や文庫、あるいは映画・テレビなど、発達してきたメディアとの双輪関係で)。最近でもドラマが話題になったり、同人の間でも根強いファンが多かったです(合評会後の飲み会)。


自由投稿について
 特集に関係しない自由投稿、評論、創作も歓迎です(短い2~4ページの小品も歓迎)。さらに、【読書ノート】【音楽ノート】のような、1~2pは、広く募集したいと思います。群系の会は近年、いろいろなジャンルの方が入会、あるいは合評会などにおいでです。文学以外にも、社会批評、マスコミ批評、専攻について、1p(千字)でも、ご投稿ください。

 なお、「68~69年 学生たちの叛乱」については、このテーマに対して、世代による受け止めが違うので、今回、特集としては扱わないことになりました。が、エッセイか何かお寄せになるのは歓迎です。特に、吉本隆明などの読書体験や、実際のデモ活動など。

 メールアドレス登録を兼ねた、24号のアンケートは、明日にでも掲出の予定です。

  ↓ 「群系」HPの総目次(項目別)

http://www.h6.dion.ne.jp/~gunneki/CCP011.html

 
 
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